EPSとPERについて深く理解しよう
株を選ぶときのポイントは2つあります。
それは、健全な会社を選び、
できるだけ割安な時に買うということです。
今回はできるだけ割安な時に買うための指標であるPERについて書いていきます。
まずは健全な会社を選ぶためのポイントを復習しましょう。
健全な会社を選ぶ
健全な企業を見分けるためには、企業の収益(フロー)と資産(ストック)が重要だという話は以前の記事でも書きました。
詳しくは、「どんな会社を選べばよいのか」という記事を読んでみてください。
健全な企業は、万全な資産があり、またより少ない資産から大きな収益を生み出せるモデルを作れているものです。
だからどれくらいの利益を上げているのか、どれくらいの資産があるのかで、会社の健全性が分かるわけです。
ちなみに、持っている総資産からどれくらい効率的に利益を生み出すことができるのかを表す指標がROA(総資産利益率)で、
持っている自己資本からどれくらい効率的に利益を生み出すことができるのかを表す指標がROE(自己資本利益率)です。
詳しくは「ROEとROAを理解しよう」という記事をご覧ください。
EPSって何?
ROEと同じ考え方で、EPSという数値があります。
ROEは株式などの自己資本をどれくらい効率的に利益に変えられるのかを表す数値ですが、
EPSは1株当たりどれくらい利益に変えられるかを表します。
言い換えれば、ROEは自己資本からお金(利益)を生み出す技術の高さを見る数値でしたが、
EPSは1株当たりのお金を生み出す技術の高さがどれくらいかを見る数値になります。
お金を生み出す技術を見る数値の中で最小単位のものと言えます。
EPSは下の式で表されます。
当期純利益÷発行株式数=1株当たりの利益(EPS)
当期純利益とは、経費や税金などをすべて引いた後に残る最終的な利益のことをいいます。
ちなみに意味が分かれば式は覚える必要はありません。
1株当たりの利益(EPS)はもちろん大きい方が良いわけです。
例えば、当期純利益が500万円の会社で、発行済みの株式数が5万株だったら、
500万円÷5万株=100となり、EPSは100円になります。
これは株主からみると、1株の購入で、100円の会社の利益に貢献すると言えますし、
会社からみると、1株という資産を100円の利益につなげることができるとも言えます。
また、発行株式数は同じ5万株ですが、当期純利益が2倍の1000万円だったらどうでしょう。
1000万円÷5万株=200となり、EPSは200円になります。
当然ですが、発行株式数が同じでも当期純利益が大きいほど、1株当たりの利益(EPS)は大きくなり、株の価値も高まります。
健全性だけでは株は選べない
ただ、ROEにしてもEPSにしても、会社の健全性を表す1つの指標にはなりますが、
現在の株価が割安かどうかは判断できません。
株価は流動的なものですから、いくら健全な会社でも、株価が割高な時もあるし、割安な時もあるものです。
だから株を買う時には、会社の健全性だけでなく、できるだけ割安な時なのかどうかを判断して買わなければならないわけですね。
そこで出てくる数値がPERです。
会社の健全性と株価を結びつける数値PER
これまでの記事で、会社の利益に関してROEやROA、営業利益率、EPSと様々な数値を見てきましたが、それらの会社が生み出す利益率が、株価に反映されているかどうかを見る数値がPERです。
つまり、PERは会社の健全性(利益)と株価を結びつける数値と言え、式は
株価÷1株当たりの利益(EPS)=PER となります。
PERは、現在の株価がEPSの何倍になっているかで、割安か割高かを判断する数値です。
PERの目安は、大体15倍~20倍以内なら割安だと言われています。
だから、使い方としては、PER=10ということなら、株価がEPSの10倍だから割安だいう目安になり、
PER=40だったら、株価がEPSの40倍になっているから割高だという目安になるということですね。
株は、健全な会社の株を割安な時に購入することができれば、損をする確率は大きく下がります。
PERは、割安かどうかを判断する上で参考にすべき指標ですので、ぜひ意味を理解した上で使っていきましょう。
ということで、今回は以上です。
株選びの基礎知識
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